日本には銃を持つ人が少ないことから、ゾンビ対策に有効な武器として「クロスボウ」が挙げられることが多いです。
しかし、いままで規制が無かったクロスボウも、ついに所持が原則禁止になりました。
原則禁止にはなりましたが、猟銃と同じく所持許可申請が下りれば、クロスボウを所持することは可能です。
所持許可申請の手順

初めて所持する人の申請手順です。



経験者の所持許可更新や産業用は別手順となります。
- 所持許可の欠格要件に当て嵌らないことを確認
- クロスボウ講習会(初心者)受講申し込み
- クロスボウ講習会受講(考査あり)
- 講習修了証明書を交付して貰う
- 精神科を受診して診断書を貰う
- 保管場所を準備する
- クロスボウ購入と譲渡等承諾書の用意
- クロスボウの射撃(予定)場所の選定
- 必要な書類を揃えて所持許可申請する
- 認知機能検査(75歳以上の人のみ)
- 公安による調査と審査
- 許可(所持許可証交付)
- クロスボウの所持



まずは最寄りの銃砲店を訪れ、相談するのがオススメです。



かなり親身に許可申請手続きのサポートをしてくれます。
所持許可の欠格要件
所持許可の申請を出しても、人的欠格事由、物的欠格事由、保管庫の不備や所持用途によっては許可が下りない場合もあります。
まずは、自分が所持許可の欠格要件に当てはまらないかを確認しましょう。
人的欠格事由



人的欠格事由は項目が多いので注意しましょう。
- 18歳未満の者(例外あり)
- 破産中の者
- 統合失調症やそううつ病等の精神疾患のある者、又は認知症である者
- アルコールや覚醒剤等の薬物の中毒者、心神耗弱者
- 住居不定
- 過去に一定の犯罪歴のある者や所持許可の取消処分等を受けた者
- 暴力団関係者
- 危険人物、または自殺のおそれのある者
- 同居の親族に上記2,3,6,7に該当する者がある場合など



一つでも当て嵌まったらアウトです。
物的欠格事由
クロスボウの構造若しくは機能が政令で定める基準に適合しない場合
- 引いた弦を固定する装置が故障して、引っ掛けた弦が自然に外れてしまうクロスボウ
- 揺らすだけで引き金が動き暴発する危険があるクロスボウ



上記のような危険なクロスボウは所持許可が出ません。
その他の欠格事由
内閣府令で定める基準に適合する保管設備を有していない場合(クロスボウの保管を専ら他の者に委託して行う場合を除く )
クロスボウ所持許可申請書を提出した日における年齢が75歳以上の者が、認知機能検査を受けない場合、及び診断書の提出命令に応じない場合



保管設備は、許可申請までに準備しておけばOKです。
クロスボウ初心者講習会の申込手続き
第一のハードルが初心者講習会です。
まずは、自分の住んでいる地域を管轄する警察署に電話をしましょう。



銃やクロスボウの担当は生活安全課です。
クロスボウの所持申請をしたいので、初心者講習を受講したい旨を伝えましょう。
講習が開催される頻度や場所がものすごく少ないうえに、回数や時期が未定です。
講習会の予定が遠いと、時期が近づくまで申し込みの受付を行っていない場合があります。
あらかじめ、講習会の日程や場所を調べてから警察署に電話するのもありです。
郵送での受付がある場合もありますが、基本的には警察署を訪れて申し込みをすることになります。



申込のために警察署に行ったら個室に案内されたぞ。



kiwiの(猟銃)初心者講習の時には、二対一の面接をされました。
申込手続きの際に、所持したい目的などを聞かれることもあるので覚悟をしておきましょう。
申込手続きをすると、受付済みの講習受講申込書と初心者テキストを受け取ります。



講習には考査があるので、テキストで勉強しましょう。
クロスボウ初心者講習会の受講



講習は丸一日掛かるので、頑張りましょう!
- 初心者テキスト
- 講習受講申込書(受付済み)
- 筆記用具
講習内容 | 講習時間 |
---|---|
クロスボウ所持に関する法令 | 3時間 |
クロスボウの使用、保管等の取扱い | 2時間 |
考査(講習終了後、正誤式テスト) | 1時間 |



考査の合格者には、講習修了証明書が交付されます。
精神保険指定医の診断書を貰う
人的欠格事由に当てはまらないことを証明するために、精神保険指定医の診断書が必要です。
- 統合失調症
- そううつ病
- てんかん
- 心神耗弱者
- 認知症
- アルコールや覚醒剤等の薬物の中毒者
- 危険人物、または自殺のおそれのある者
精神保健指定医かつ、クロスボウの所持許可関係の診断書を出してくれるところを探すのは結構大変です。
該当しないと診断書を出した人が、問題を起こしたときに責任を負うことになると考える医師もいます。



すごい嫌味を言われながら診断書を貰ったの覚えています…。
保管場所の準備
クロスボウは、内閣府令で定める基準に適合する保管施設で保管する義務があります。



同居人や他人に持ち出されないようにするためです。
そのため、基準に適合する保管設備を有していないと、クロスボウの所持を許可されません。
保管には「自宅保管」と「委託保管」の2種類があります。
自宅保管の場合、下記のような保管庫を盗難防止のために人目のつかない場所に設置し、柱にねじ止めして固定する必要があります。
保管庫はそこそこの値段が掛かりますが、委託保管代1~2年分くらいの値段なので、すぐに元が取れます。
いつでも取り出して触れるので、プレッパー的には自宅保管一択ですね。



amazonで購入できるガンロッカーは、下のものだけです。
保管状況報告書は自治体によって書式が違うので、地元の銃砲店や警察署で書類を貰ってきましょう。
しかし、家族の同意が無かったり、防犯上問題がある土地柄や物件だと、許可されづらいという問題もあります。



賃貸物件住みには難しいですよね。
その点、委託保管はランニングコストが月々2000~3000円ほど掛かるかわりに、上記の面倒ごとから解放されます。
委託管理はクロスボウ入手のハードルを下げてくれますが、プレッパー的には微妙です。



わざわざ委託した場所に取りに行く手間がかかります。
クロスボウ購入と譲渡等承諾書
譲渡等承諾書は、クロスボウを購入するお店(銃砲店)に用意してもらう書類です。
所持許可申請をする前の段階で購入するクロスボウを決めておき、仮押さえをする必要があります。
クロスボウ購入に関するお店とのやり取りの流れは以下の通りです。
- 購入するクロスボウを決める
- お店でクロスボウを仮押さえする
- お店に譲渡等承諾書を用意してもらう
- 譲渡等承諾書などの書類を揃えて、所持許可申請を出す
- 所持許可証をお店に提示して、クロスボウを受け取る
この書類を用意してくれないネットの業者などからは、絶対に購入してはいけません。
クロスボウの射撃(予定)場所の選定
クロスボウの標的射撃ができる場所は、「危害予防上必要な措置が執られている場所として内閣府令(銃刀法施行規則)で定めるもの」とされています。
詳細な規定は、改正された銃刀法施行規則の第82条の4及び別表第2を参照してください。
あらかじめ上記の法令の基準を満たした場所を確保して計画を立てておかないと、所持の許可がおりません。
許可申請時に詳しく聴取されるので、射撃予定場所に関する資料(土地・施設の所有者が分かる登記事項証明書、利用に関する管理規約等)や場所・施設の図面を準備しておきましょう。
全日本クロスボウ協会が所有しているクロスボウ射撃地は九州に1つのみとなっています。
山林にフェンスやバックストップを設置すれば射撃も可能ですが、ハードル高めです。



これ、許可申請通るんかな?
申請に必要な書類を揃えて申請をする
所持許可に必要な書類をすべて揃えてから、許可申請に挑みましょう。
申請に必要な書類
- クロスボウ所持許可申請書
- (申請人の写真×2枚
(無帽、正面、肩から上、カラー、縦3㎝×横2.4㎝、6か月以内に撮影、裏面に氏名及び撮影年月日記載) - 精神保健指定の診断書
- 保管状況報告書
- 譲渡等承諾書
- 講習修了証明書
- 住民票の写し(マイナンバーなし)
- 本籍地の市区町村長発行の身分証明書
- 同居親族書
- 経歴書
- 射撃(予定)場所の資料(標的射撃用途の場合)
- 鳥獣捕獲許可証又は従事者証(狩猟・有害鳥獣駆除用途の場合)(提示)



許可申請の手数料10,500円(収入証紙)が掛かります。



複数同時に申請する場合は、2丁目以降1丁につき6,700円です。
申請の際の聞き取り
書類を提出して終わりではなく、口頭での聞き取りもあるので注意。
所持許可を申請する目的とクロスボウの用途だけでなく、保管場所や射撃場所についても詳細に聞かれます。
また、申請後の調査・審査に必要な家族・友人・仕事先の同僚の連絡先も聞かれますので、事前に連絡先のリストアップが必要です。
認知機能検査
認知機能検査が必要な方は、許可申請時に75歳以上の方のみです。
申請日以降に運転免許の講習予備検査を受検し、結果通知書を提出した方は例外として検査を受ける必要がありません。
認知機能検査結果次第では、受診の命令がでることもあるそうです。



検査の手数料は650円です。
75歳未満の方は認知機能検査をスキップして、公安による調査・審査が行われます。
公安による調査・審査
公安による調査・審査は「自宅訪問」と「身辺調査」の2つが行われます。
自宅訪問では、保管場所が基準に達しているかのチェックと、家族への面談(所持に恐怖は無いですか?的な)です。
保管場所が基準に満たない場合や、家族が所持することに否定的だと許可が下りません。
身辺調査では、あなたや家族の犯罪歴が調べられ、周辺への聞き込み調査が行われます。
聞き込み調査があるかもしれないことを根回しするとともに、ネガティブなことを言われないよう、普段から愛想よく過ごしておきましょう。
所持許可証交付とクロスボウの受領
書類の不備や欠格事由に当てはまることが有ったり、調査・審査に問題が無ければ、所持許可は下りるはずです。
所持許可証が交付されたら、すぐにクロスボウを仮押さえしているお店に連絡しましょう。
お店に所持許可証を提示することで、クロスボウを購入して受領することが出来ます。
所持許可が下りて3か月以内にクロスボウを譲り受けない場合、許可証は効力を失うので注意しましょう。



クロスボウ入手まで長い道のりでしたね。
まとめ
クロスボウ入手までには長い時間と手間がかかるため、あらかじめ予定を立てて申請を進める必要があります。
- 所持許可の欠格要件に当て嵌らないことを確認
- クロスボウ講習会(初心者)受講申し込み
- クロスボウ講習会受講(考査あり)
- 講習修了証明書を交付して貰う
- 精神科を受診して診断書を貰う
- 保管場所を準備する
- クロスボウ購入と譲渡等承諾書の用意
- クロスボウの射撃(予定)場所の選定
- 必要な書類を揃えて所持許可申請する
- 認知機能検査(75歳以上の人のみ)
- 公安による調査と審査
- 許可(所持許可証交付)
- クロスボウの所持



念願のクロスボウ所持を目指して頑張りましょう!


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